近ニュースでもよく耳にする「カスハラ防止法」、接客やサービス業を中心に深刻な社会問題となっているカスタマーハラスメント(カスハラ)から従業員を守るため、2026年10月1日から全国のすべての企業に対策が義務付けられます
専門用語をできるだけ省いて、ポイントをわかりやすく解説します
◆カスハラ防止法とは?
正式名称は「改正労働施策総合推進法」といいます。これまで「お客様は神様」という言葉の下で従業員が我慢を強いられがちでしたが、「企業は従業員を理不尽なクレームから守る義務がある」と法律で明確に定められました
いつから?: 2026年(令和8年)10月1日からスタートします
対象は?: 従業員を1人でも雇っているすべての企業です。大企業だけでなく、中小企業や個人事業主、医療機関、NPO法人なども例外なく対象になります(中小企業向けの猶予期間もありません)
◆どこからが「カスハラ」になる?
厚生労働省の指針では、以下の3つをすべて満たすものをカスハラと定義しています
顧客や取引先からの言動である
要求の内容や態度が「社会の常識に照らして行き過ぎている」
その結果、従業員が働きづらくなる(就業環境が害される)
具体的には、以下のような行為がカスハラに該当する可能性が高いです
◆企業がやらなければならない「4つの義務」
2026年10月に向けて、企業は以下の体制を整える義務があります。これを怠ると、国(労働局)からの指導や勧告を受けたり、最悪の場合は企業名が公表されたりするリスクがあります
「カスハラには屈しない」という方針の宣言
企業として「カスハラは許さない」という基準を作り、ポスターやウェブサイトなどで社内外にアピールすること相談窓口をつくる
従業員が被害に遭ったときに、一人で抱え込まずに相談できる窓口や担当者を決めておくこと起きたときの対応ルールを決める
「悪質な場合は警察に通報する」「一人で対応させず上司が代わる」など、現場を守るためのマニュアルを整備すること報告した従業員を守る(不利益取扱いの禁止)
「カスハラを報告した」「会社に対応を求めた」ことを理由に、その従業員をクビにしたり、評価を下げたりしてはいけないというルールです
以前は「クレーム対応も仕事のうち」と片付けられがちでしたが、これからの時代は「従業員を守れない企業は責任を問われる」ことになります。働く側にとっては非常に心強い法律ですね
◆カスハラに遭った時の現場での対処法や、
具体的な断り方
現場でのカスハラ対応における最大の鉄則は、「お客様を納得・満足させること」
を放棄し、「これ以上の被害を防ぎ、安全にやり取りを終わらせること」へ目的を切り替えることです
現場でスタッフを守るための具体的なステップと、そのまま使える「断りのフレー
ズ(スクリプト)」をまとめました
◆現場対応の3つの基本ルール
一人で対応しない: 異変や理不尽さを感じたら、すぐに複数人(または責任者) で対応を代わる、もしくは同席します。密室を避け、オープンな場所で対応することも重要です
- 安易に全面謝罪しない: 「ご不快な思いをさせたこと」には寄り添いますが、 事実確認が取れる前に「こちらのミスです」と非を認める言葉は絶対に避けます
- 記録を残すことを宣言する: 「正確を期すため、これより録音(録画) させていただきます」と相手に伝えるだけで、ヒートアップを抑える強い牽制効果があります
◆【状況別】毅然と断る具体的なフレーズ
カスハラに対しては、曖昧な言葉や「申し訳ございません」の連呼は逆効果です
◆悪質な場合の「打ち切り」ステップ
最終回答の提示: 「私どもからのご案内は以上となります」「これ以上お話しできることはございません」と結論を出します
- 警告(イエローカード): 「これ以上の要求をされるなら、対応を打ち切ります(退店をお願いします)」と明確な条件を伝えます
- 実行(レッドカード): 警告に従わない場合、「お引き取りいただけないため、 警察に通報します」と宣言し、実際に110番通報します
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