会社から支給される給与の扶養手当のように、老齢厚生年金にも扶養手当のような年金があるのをご存じでしょうか。65歳以上で、一定の要件を満たした老齢厚生年金を受けている方に加算される「加給年金」という年金です。あくまでも厚生年金に加算される年金であるため、基礎年金には加算されません
◆加給年金の支給要件は!?
加給年金が支給されるための一定の要件を確認しておきます
1. 厚生年金の被保険者期間が、原則として20年以上あること
2. 老齢厚生年金の報酬比例部分が、全額支給停止になっていないこと
※老齢厚生年金の報酬比例部分(厚生年金基金代行金額を含む)の1月分と会社の給与+直近1年の賞与額(総報酬月額相当額)の合計金額が48万円を超えた場合、超えた金額の1/2が停止になります
3.1の方が65歳到達後に、生計維持されている下記の配偶者又は子がいること
①65歳未満の配偶者で、原則として20年以上の老齢厚生年金の受給権を有していないこと、または障害年金を受給していないこと
※老齢厚生年金の受給権を有していないとは、年金の請求をしているか否かにかかわらず、支給開始年齢に達しており、かつ実際に20年以上の厚生年金の被保険者期間を有していない場合をいいます
②18歳到達年度末までの子(障害1、2級の状態にある20歳未満の子)
③配偶者または子の前年の収入が850万円未満であること、または所得が655.5万円未満であること
◆加給年金の金額はいくら!?
配偶者加給年金は、228,700円で、老齢厚生年金を受給している方の生年月日に応じて、33,800円~168,800円の特別加算があります
受給者の生年月日 |
加給年金と特別加算の合計金額 |
昭和9年4月2日から昭和15年4月1日 |
262,500円 |
昭和15年4月2日から昭和16年4月1日 |
296,200円 |
昭和16年4月2日から昭和17年4月1日 |
330,000円 |
昭和17年4月2日から昭和18年4月1日 |
363,700円 |
昭和18年4月2日以後 |
397,500円 |
2人目までの子 |
228,700円 |
3人目以降の子 |
76,200円 |
次回は振替加算について説明します